畑たんぼの生活

0からスタートする農業記録と大好きな美容ブログ

ばあちゃん

畑のばあちゃんについて、書いておきたい。

 

ばあちゃんは今年81歳。

 

畑はばあちゃんの長男の子供なので、上京する18歳の時まで一緒に暮らした。

よく高音爆笑する人で、礼儀作法にとても厳しく、何でもよく褒めてくれる

そんなばあちゃんだった。

 

畑が15歳の時、両親が離婚した。

反抗期真っ只中の畑は、自分の縄張り(部屋)が失われるのが嫌で父と暮らす

事を選んだ。

 

それまでは母が作っていた料理が、ばあちゃんの手料理になった。

育ち盛りの子供が喜ぶおかずばかりだった。

 

高校に進学した畑に、毎日弁当を作ってくれた。

 

畑の実家はもともと、タバコの葉を生産する農家でそれ以外に米、野菜、加工食品

を販売していた。

昼間農作業をし、夜は加工食品の製造。

ばあちゃんは寝る暇なく畑と弟、妹を育ててくれていたのだ。

 

畑は高校に入った時、大人の都合に振り回される生活に対し、

大人大っ嫌い運動をしてた。

ヤンキーになった。

 

全てを捨てて自分で生きて行こうと家出した16の夏。

翌日父親に確保された。

 

家のドアを開けると奥からよろめきながら、

畑に向かってきて抱きしめてきたのがばあちゃんだった。

「なんバカなこつしよるか。ごめん、ごめんね。」

なんでばあちゃんが謝ってきたのか、今になってよくわかるようになってきた。

 

ばあちゃん、ありがとう、ありがとう。

 

18の時、まるで逃げるように上京した。

上京する日。ばあちゃんは、はたけにいて、遠くから手を振っていた。

ばあちゃんは、その日も弁当を作ってくれていた。

畑の大好きな山菜おこわ。

新幹線の中、泣きながら食べた。

今でも忘れられない。

畑はその山菜おこわの味を引き継いでいきたい。

 

そんなばあちゃんとまた一緒に暮らせる。

この道を選ばせてくれた夫に感謝したい。

 

後悔なく、家族がやさしい気持ちで暮らせるように。